神棚の祀り方③神具とお供えについて

『神棚の祀り方①神社のお神札の祀り方』『神棚の祀り方②神棚の基礎知識とお神札の並べ方』を踏まえて『神棚の祀り方③神具とお供えについて』をご紹介します。①②から読まれると、より分かりやすいかと思います。
神棚や御神札についての理解が深まったところで、お供えの仕方や日々のお作法などについてお伝えします。
地方や地域によって、考え方や風習に違いはありますが、神道の佳いところは、特別な決まりごとが少ないということでもあります。とは言え、基本の作法は押さえておきましょう。
神具(おまつりのお道具)について
神棚をお祀りする時に、宮型の他にも用意するお供え道具があります。
神棚を置く場所、宮型の大きさに合わせて選びましょう。
神棚のお供え道具
・神鏡(しんきょう)神様のめどう(目標)としての役割。見えない自分の心を神鏡に映してふりかえり誓いを立てる。
・瓶子(へいじ)神前には一対で三方、折敷等に載せて供える。
・三方(さんぽう)神饌を乗せて供える。
・水玉(みずたま)水器(すいき)水を入れる器。
・土器(かはらけ)米・塩を盛る白い小皿。平皿と高杯があります。
・灯篭 昔から神様には灯明(とうみょう)を捧げていました。蝋燭や灯篭を一対供える。
・榊 新鮮なものを一対を榊立てに入れて供える。
神饌とお供えの仕方について
神様にお供えするものを神饌(しんせん)といいます。
毎日お供えするもの、毎月1日、15日や特別なタイミングで供えるものもあります。
毎日お供えするもの
毎日お供えする物は、米・塩・水の三品です。
米と塩を少しずつを土器(かはらけ・白い小皿)に盛ります。神様は尖ったところに降りるといわれますので、円錐形に盛り塩にすることもおススメです。そのまま入れても大丈夫です。
水は水器(水玉)に、酒(御神酒 おみき)は瓶子(一対)に入れます。
水も御神酒も運ぶ時は蓋をしたまま、神様の前では蓋を取ると良いでしょう。ただし、これには諸説あり、蓋を閉めたままだと神様が召し上がれないという考え方と蓋を開けておくと埃が入るという考え方があるので、ご自分の考え方に添って良いと思います。
直接神殿の前にお供えしてもよいのですが、正式には三宝(さんぽう)や折敷(おしき)に載せます。
神饌のレイアウトについては、正方形の三方、長膳(写真は長膳)、折敷の大きさにもよりますが、お米を中心に水が左、塩を右に置きます。御神酒は左右に一対になるように置きましょう。その両サイドに榊を配します。
神饌は毎日変えなければならない?
基本的には毎日お供え物を新しくすると良いのですが、すべての品を毎日取り替えられなければ、水だけは毎日交換しましょう。
1日または15日に、毎週月曜日に、10日毎に等、一定日を決めて変えても大丈夫です。
ちゃんと出来ないから…と諦めるのではなく、出来る範囲で取り組むことから始めてみませんか?
毎月1日、15日、それ以外のお供えもの
その他、毎月1日と15日にはお神酒と榊を変えましょう。お酒が嫌いな神様はいらっしゃらないそうですよ!
お正月やお祭り、家族の記念日などには、お酒や季節の初物などもお供えしてお参りしましょう。
旅先からのお土産などをお供えすると神様も喜んでくれそうですね。
神様のお力が宿ったおさがりは、家族で分けていただきましょう。
榊について
榊は「栄える木」という意味の神事に用いる木のことで、ツバキ科の常緑小高木の枝葉を飾ります。
毎月の1日と15日に取り替えるのが一般的とされていますが、枯れてきたら新しいものと取り替えましょう。
また、色が変わり、枯れてきた葉を取り除くだけで見映えも良くなります。(枯れたものは普通に捨てて大丈夫です。)
榊の持ちを良くするためには、こまめに水を取り換えましょう。その際に茎を少し切り戻して切り口を新しくすることで水上りが良くなります。更に、葉の裏側に新鮮なお水をジャブジャブかけてあげると長持ちしますので、お試しくださいね。
榊の種類
榊には種類があります。
写真左のヒサカキは、姫榊と書かれ、その名の通りに小さ目の葉と外輪がギザギザしているのが特徴です。
また、非榊とも表記され、本榊との違いを表しているとも言われています。
北海道で手に入りやすいのはヒサカキです。
一方、写真右は本榊(真榊 マサカキ)と言い、葉の表面も外輪も滑らかでヒサカキよりも大きめです。そのため、本榊の方が持ちが良いのが特徴です。北海道では大手スーパー、こだわりを持って仕入れているお花屋さん、ネットショップでも入手が可能です。
また、北海道でも馴染みのあるオンコの木は、別名を一位の木(イチイノキ)といい、神社の御神木としても見かけます。
神社の神主さんが持っている笏(しゃく)は一位の木で出来ている物が多いといわれます。
北海道では、御神事の際に使われる玉串も榊の他にオンコが使われることもあります。
神棚を整えて、お世話をする方法についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
難しく考えたり、神様に失礼にあたるのでは?と神経質になる必要はありません。
出来ることから、出来る範囲で実践してみれば佳いのですね^^
この後は、神棚の祀り方④拝礼方法(お参りの仕方)についてをお届けします。
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