神棚の祀り方②神棚の基礎知識とお神札の並べ方

『神棚の祀り方①神社のお神札の祀り方』を踏まえて、『神棚の祀り方②神棚の基礎知識とお神札の並べ方』についてご紹介します。①から読まれると、より分かりやすいかと思います。
あなたのお家に神棚はありますか?
ご自分でお仕事をされている方は、事務所やサロンに祀っているかもしれませんね。
神棚を祀るということは、ご家庭や仕事場に小さな神社がある感覚とお伝えしました。
まるで、その場に『パワースポット』があり、守られている安心感を感じることでしょう!
ここでは、神棚の祀り方についてお届けします。
これから神棚を祀ってみようと思う方には新しい知識として、既に祀られている方には再確認の機会になれば幸いです。
神棚を初めて祀るタイミング
神棚をはじめてお祀りする時期に特に決まりはありませんが、一般的に多いのは以下になります。
●新しいことが始まる時 → 新築、結婚・引越などの新生活、事務所開き
●厄払いとして → 厄年、災い後
●感謝のしるしとして → 年祝い、好機に恵まれた
さまざまなタイミングがありますが、『お祀りしてみよう』と感じたその時が1番佳い時期です。
ご家庭、事務所などに神棚をお祀りすることで、場や生活に自然と秩序が生まれ、家族や人間関係が円満になり、ご縁が強まる効果が期待できます。
神棚をお取替えするタイミング
神棚を取り替える時期もさまざまです。
地方の風習によっては毎年変える場合もあるそうですが、一般的には、5年・10年・15年と5年毎に区切って変える場合が多いようです。長くても伊勢神宮の式年遷宮のように20年に一度は新しくされると良いでしょう。
神棚を新しくされる時には、古い神棚より少し大きめのものにするか、良い造りにする方が良いとされています。
神道のお作法というものは、今風の言い方にするならば、アップデート、バージョンアップが可能なのですね。
何より、神様は新しいもの、清らかな物を好まれ、その様なところに降りられます。
古い神棚、お札は、氏神神社にお問い合わせをして、了承が得られれば持参して御焼納してもらいます。
神棚の種類と選び方
お神札を重ねてお祀りする一社宮、横に3枚並べてお祀りする三社宮の他、五社宮、七社宮などがあります。
予算や置く場所に合わせて選びます。神棚の幅、高さ、奥行き、お供えのスペースも考慮しましょう。
大切なことは、御扉のついている物を選ぶことです。
また、神棚の形(宮型)にも種類があり、上の写真のような板葺(いたぶき)、伊勢神宮を模した茅葺(かやぶき)、北海道でよく見られる箱宮(はこみや)等があります。
神棚をお祀りする場所
一般的には(神社庁では)天照大神が太陽神でいらっしゃるので『太陽が昇る東、日照時間の長い南へ向ける』という考え方をもとに上図の様に『東向き、南向きに置く』といわれていますが、住環境によって無理な場合には、こだわる必要はありません。
方角に囚われることよりも神様をお祀りすることが大切です。
目線よりも高く、お参りしやすい清浄な場所にお祀りしましょう。
神棚と仏壇は、向かい合わせにしなければ同じ部屋にお祀りするのは良いとされています。
出入りする際に危ないのでドアの上部は避けましょう。
トイレと隣り合わせ、背中合わせになるお部屋も避けることをおすすめします。
神様はキレイなところが大好きです。
雲、天、空について
神棚の上を誰かが歩くことがある(上階がある)場合は天井に『雲、天、空』の文字を貼って「この神棚の上には何もありません」と表します。
お神札の祀り方
御扉の中には天照大神、氏神様、崇敬神社の神様の三柱(※みはしら)のお神札をお祀りしましょう。
神様への畏敬の念を表し『神は見たり触れたり出来ないもの』として御扉は閉めます。
※神様は一柱(ひとはしら)、二柱(ふたはしら)と数え、お神札は一体(いったい)、二体(にたい)と数えます。
お神札の種類
神宮大麻(じんぐうたいま)
神宮大麻は日本人の総氏神である伊勢神宮の神様『天照大神(あまてらすおおみかみ)』の力が宿ったもので『天照皇大神宮』という神号と印が押してあるお神札になります。『天照皇大神宮』とは三重県にある伊勢神宮内宮のこと。『天照大神』は、八百万(やおよろず)の神々の中でも最も尊い神様とされ、天皇陛下・皇室の祖先神であります。
伊勢神宮より全国の神社に頒布されているので、日本全国のどこの神社でもいただくことができます。
氏神神社のお神札
自らが居住する地域の氏神様をお祀りする神社=自宅の1番近くにある神社のお神札が氏神神社のお札になります。
氏神神社が分からない場合は、自分の住んでいる都道府県の神社庁にお電話をして現住所をお伝えすると教えてもらえます。
崇敬神社のお神札
崇敬神社とは、地縁や血縁的な関係以外で、個人の特別な信仰等により崇敬される神社とされています。
崇敬神社のお神札とは、自分でご縁を感じる神社など、氏神神社以外の神社のお神札になります。
一社宮のお神札の祀り方
一社宮の場合は、お神札(おふだ、ごしんさつ)を重ねてお祀りします。
一番手前を最上位とし、天照皇大神宮(天照大御神 あまてらすおおみかみ)のお神札=『神宮大麻(じんぐうたいま)①』を一番上にお祀りします。その下に『氏神神社(氏神様 うじがみさま)②』次に『崇敬神社(ご先祖様ゆかりの神社)③』と重ねてお祀りします。
三社宮のお神札の祀り方
三社宮の神棚の場合、お神札の神座の順位は、中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。
上記に習い、中央に天照皇大神宮(天照大御神 あまてらすおおみかみ)のお神札=『神宮大麻(じんぐうたいま)①』、向かって右側に『氏神神社(氏神様 うじがみさま)②』、左側に『崇敬神社(ご先祖様ゆかりの神社)③』のお札をお祀りします。
増えたお神札はどうする?
旅行へ出かけた時に参拝し、ご縁を感じた神社のお神札を入手したり、お祓いなどでいただく場合もありますね。
では、増えたお神札は、どうしたら良いのでしょう?
4枚目からは、神棚の中に納めず、神棚の右④、左⑤、右⑥の順に丁寧に並べて置きます。
外に出しておきたくないと感じる方は、一社宮、三社宮とも③の下に重ねて置いても構いません。
よく、「お守りやお神札を沢山増やすと神様がケンカするから良くない」と言う方がいますが、日本の神道の神様は多神教(八百万の神)ですのでケンカはしません。
とは言え、むやみに数を増やして神頼み、他力本願にならないようにしたいものですね。
大切なのは、感謝のこころを持ち続け、神様と自分と誓いを立てて実践することでもあります。
この後は、神棚を祀る際に必要なお道具(神具)や神様にお供えするものについてお届けします。
つづく↓